南砺市(なんとし)

城端線開通120年記念シンポジウム「どう創る 地域の未来と公共交通」開催

マイレール意識で城端線に関わりを持ち地域の宝として未来につなぐ

城端線開通120年記念シンポジウム「どう創る 地域の未来と公共交通」開催の画像
城端線開通120年記念シンポジウム「どう創る 地域の未来と公共交通」

 12月10日(土)、じょうはな座で城端線開通120年記念シンポジウム「どう創る 地域の未来と公共交通」が開催され、市内外から約250名が参加して開通120年の歴史を誇る城端線に思いを寄せながら、城端線の価値やこれからの地域公共交通のあり方に関する基調講演やパネルディスカッションに耳を傾け、理解を深めました。

城端線開通120年記念シンポジウム「どう創る 地域の未来と公共交通」開催の画像
ローカルジャーナリスト田中輝美さんによる基調講演

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参加者を惹き込んだ藻谷浩介さんの基調講演

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パネリストが多様な視点で意見を交換

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会場内にはジオラマもあり子どもたちも興味津々

 開会にあたり城端線開通120年記念事業実行委員会の松本久介委員長が、7月9日以来6回にわたって開催された開通120年記念連続講座について触れ「連続講座では城端線120年の歴史について理解を深めました。今日は城端線の未来について考え語り合いたい」とあいさつ。田中市長も「先人が遺した城端線を次代につなげるため盛り上げていきたい」とし、「先人の思いをのせた城端線 未来に向かって夢のせ走る」との一句を披露して歓迎のあいさつとしました。
 続いて、全国JR全線に「完乗」し、地域に暮らしながら地域を記録・発信する「ローカルジャーナリスト」の田中輝美さんが「地域の未来は変えられる」と題して講演。「呼び込む」・「解決する」・「稼ぐ」という観点から、「残す」ではなく「生かす」方法で利用者数を増やしている全国各地の好事例を紹介。「生活の足という罠・呪縛」から脱し、乗るだけではなく「関わり」を持つことで愛着が増すとし、マイレール意識による関係→思考→行動→結果→関係→・・・と続く好循環を示し「一人の思いがつながり、積み重なることで地域の未来は変えられる」とし、地方鉄道に積極的に関わりを持つことの重要性を呼びかけました。
 また、地域エコノミストの藻谷浩介氏が「南砺の未来と城端線の価値」と題して講演。「選択肢がある地域はすばらしく、少ない地域は貧しい」と述べ、米国テキサス州ダラスの大都市なのに公共交通網が整備されず閑散とした都市部の現状を示し、「利用者が少ない」という数の論理で存続の危機に瀕する鉄道の現状を憂い、道路と鉄道の1メートルに係るコストを比較。効率性の面から鉄道の優位性を示し、ガソリン税財源の1%が鉄道に向けられれば全国各地のローカル線を継続できるという可能性に触れ、「昔の人が頑張って創った鉄道。廃線するのは簡単だが、一から創ることは困難」と指摘。また、アジア圏からの訪日観光客の大幅な増加について説明し、外国人観光客の移動に鉄道は必須とし、地方鉄道の重要性や可能性その価値を多角的に分かりやすく示しました。
 さらに、富山大学で全国初の「都市・交通デザイン学科」開設担当の中川大富山大学副学長(京都大学名誉教授)がコーディネーターを務め、田中輝美さんと藻谷浩介さんに田中市長と「万葉線」の第三セクター化を草の根運動で支えたRACDA高岡の島正範会長を加えた4名によるパネルディスカッションが行われました。県西部を南北に貫く「骨格」としての城端線・氷見線の重要性、地域の顔や象徴、無関心の怖さ、今何かしなければ無くなるという危機感、自分事として汗をかく熱意など、さまざまな視点から地方鉄道や公共交通の可能性について探りつつ、会場内の参加者も交えて積極的な意見交換が行われました。中川副学長は「鉄道利用者は必ず増やす事ができる。さまざまな工夫の方法があり、大切なのはそこに『住んでいる』と思えること」とし、地元の鉄道への思いを持つ事を呼びかけました。

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問い合わせ先 地方創生推進課 交通政策係
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