合掌家屋の屋根葺替えの様子
1995年12月にユネスコ世界遺産に登録され、本年、国史跡登録50周年・世界遺産登録25周年の大きな節目を迎えた五箇山合掌作り集落。今回、先人からの知恵と技術を受け継ぎ、世界遺産の合掌造り家屋を守っている富山県森林組合さんの屋根葺きの様子をご紹介します。
転落防止用ロープを命綱に一束ずつ丁寧に引き剥がします
古茅を剥がす森林組合の職員
市担当者による確認作業の様子
外の職員と阿吽の呼吸で縄のやり取り
完成です!
連休明けで爽やかな日差しが心地よい初夏の五箇山。富山県西部森林組合の皆さんは、今年度2棟目となる合掌造り家屋の屋根葺き替え作業のため相倉集落にいました。屋根の葺替え周期は、屋根への日当たり具合などにもよって変化しますが、概ね15年から20年に1回のペースで行われ、今回作業に当たる合掌家屋も前回の葺替えから20年の年月が経過しています。
工事現場の足場組みが完了すると、慣れた手つきで古茅剥がし作業に取り掛かる森林組合の皆さん。屋根の上から転落防止用のロープを命綱に、一束ずつ丁寧に引き剥がしていきます。作業が完了すると、市担当者が現地に赴き下地(骨組み)の確認を行い、劣化している材料の交換や補強などを指示。作業完了後に再確認を行ったら、いよいよ屋根の葺替え作業に入ります。
市担当者の現地確認は全体で3回行われ、屋根の土台となる骨組みの状態を確認する「下地確認」、葺替え途中で屋根が規定の厚みになっているかを確認する「厚み確認」、屋根の葺替え完了後、足場解体前に軒と法面の延長を計測する「出来高確認」が主な項目となり、全ての確認が終わると、担当課の検査を経て業務完了となります。
今回の屋根葺替え工事を含め、令和2年度は6棟の合掌家屋を葺替え予定の森林組合の皆さん。この他に、夏場に行われる茅場の下草刈りや秋の茅刈りも控えており、ただただ感服するばかりであります。合掌家屋の屋根の葺替え作業は、地域の宝を守る重要な役割を果たしています。これからも、人類の宝を守るため、御身体にはご自愛いただき頑張っていただきたいと思います。
問い合わせ先 |
文化・世界遺産課 世界遺産・文化財係 電話番号 0763-23-2014 |
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文化・世界遺産課