5月2日晴れた春の宵、引き合いに大行燈の灯が揺れました。
行燈の楽しみは、なんといっても引き合いです。この引き合いは、相手の行燈を壊し合う(ケンカ)のことです。伝えでは、福野神明社の神様は大変けんかの好きな女性であり、引き合いが盛大な程お悦びになり、その年は豊作など良い年になると云われています。2か月以上かかって作った行燈をこの2日間でこわしてしまう心意気がたまらないという方もおいでです。
2日夜、銀行四つ角で引き合いが始まりました。例年、横町・浦町・辰巳町の三町と、新町・上町・七津屋の三町が対抗する形で行われます。多くの見物客が見守るなか、威勢のいい拍子木とともに行燈が動き、法被姿の若衆が赤々と燃える行燈の上で影絵のように踊り、すれ違う行燈を壊し合います。見物客の歓声に応えるように、若衆の姿が飛ぶように舞い、相手方の行燈を引きちぎり夜空に放り投げます。
引き合いの終わった街角には、熱気の覚めやらぬ見物客が夜高太鼓に聞き入っていました。夜高行燈がそれぞれの町内に戻り、夜中1時頃、四つ角には「しゃんしゃん」の見物客が集まってきました。
当番裁許の横町若衆が準備するなか、各町裁許が円陣を組みました。清めの儀式のあと、当番裁許長鍛冶忠和さんから無事終えたことの挨拶があり、横町の拍子木のたたき方で手締めが行われ、翌年の当番裁許の上町・七津屋へ引継ぎが行われました。大役を果たされた裁許に大きな拍手がおくられていました。
政策推進課