秋を彩る南砺菊まつり
会場 | [福野地域] |
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開催時の様子 |
色とりどりの菊が会場を彩ります |
鮮やかな菊がたくさん! |
南砺市で「菊」といえば、福野地域で毎年行われる「南砺菊まつり」が有名です。福野地域に菊花愛好者が広がった背景や、「菊まつり」が始まったきっかけなどを南砺菊まつり実行委員会・南砺市菊花協会会長の鍛冶直弘様に伺いました。
今回は残念ながら菊まつりは中止となりましたが、次回開催時にはぜひ菊の奥深さを堪能してください。
花は人々に安らぎと潤いを与えてくれ、古くから生活の中に根付いております。
とりわけ菊は、日本を代表する最も身近な花として広く親しまれ、奈良時代に中国より延命長寿の薬用として渡来し、江戸時代に品種改良と栽培技術の向上により鑑賞菊として愛育され驚異的に普及をみました。
菊づくりの楽しみは、個人の園芸趣味としてだけでなく、生きている菊花を愛育することによって、共に生きる喜びを体験することにあります。
福野地域では、もともと菊花愛育者の多い地域であり特に鑑賞菊が盛んに作られていた時代に、中核農家では施設園芸栽培として電照菊が盛んに生産されていて、電照菊の分野においては県内シェアの約70%にもなり、北陸最大の産地形成をなしていました。
昭和57年2月に福野町菊振興協議会が設立され、菊花の町として町民総参加による「菊まつり」を観光の目玉に、町おこしの新しいイベントとして同年11月に第1回福野菊まつりが猿ケ辻広場で北陸三県菊花大会の誘致と併せ同時開催しました。昭和59年には富山県置県百周年記念事業を契機として、町における菊栽培の振興により菊を利用した観光開発を推進することを目的に開催を続けております。その後、平成3年には全日本菊花連盟「福野大会」を開催し、全国の愛好家が丹精込めて育てた優秀作品が約5,000点近く持ち込まれ、空前絶後の一大イベントとして盛況を極めるとともに、町の菊花愛好者の広がりと、栽培技術の一段の向上が期待されたのです。
近年は、温暖化の影響により連日30度を超す猛暑と梅雨の長雨、この異常気象の悪条件の中での栽培管理、または相次いで襲来する台風対策に追われるなど大変な作業ですが、秋に待望の蕾が色づき膨らんできたときには、菊花愛好者にとって年に一度味わう期待と不安にかられる時であり、菊づくりをして苦労した者のみに与えられる特権かと思います。今は新市誕生により、名称を改め「南砺菊まつり」として県内外に広く好評を博し開催を続けております。
寄稿:南砺菊まつり実行委員会・南砺市菊花協会 会長 鍛冶直弘