国の登録有形⽂化財(建造物)の登録について
会場 | [平地域] |
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白山宮鞘堂が国登録有形文化財に登録されました。
白山宮鞘堂 |
白山宮本殿 |
平地域の上梨地区にある白山宮鞘堂(はくさんぐうさやどう)は、国指定重要文化財の「白山宮本殿」を覆い保護する、宝暦10年(1760)建立の茅葺き建物で、五箇山に残る茅葺きの宗教施設では最も古いものです。祭神は白山菊理媛命で、十一面観世音菩薩妙理大権現の御正体を奉安しており、現在も33年毎に開帳されます。来年5月33年ぶりのご開帳に合せ、地元住民が中心となって働きかけ、この度平成30年5月10日付けをもって国登録有形文化財となりました。
上梨地区は1,000m超級の山々に囲まれた深い谷あいにあり、白山など岐阜県の山地を源とする庄川左岸のわずかな平坦地に形成された集落です。かつて修験の場であった人形山の登山拠点であり、白山宮鞘堂に保護される本殿は人形山の山頂で創建され、その後当地に移遷されたものです。
当地区には合掌造り家屋の「村上家住宅」(国指定重要文化財)や「圓淨寺鐘楼堂」(市指定文化財)をはじめ大小10棟の茅葺き家屋があり、世界遺産の相倉合掌造り集落、菅沼合掌造り集落に継いで、多くの茅葺き家屋が残されています。
また全国的に知られる民謡「こきりこ唄」(国選択無形文化財「五箇山の歌と踊」の一つ)の発祥の地とされている他、五箇山豆腐や造り酒屋(地酒)があり、対岸の田向地区には「羽馬家住宅」(国指定重要文化財)や「流刑小屋」(県指定有形民俗文化財)があるなど、観光資源が豊富で五箇山の中でも観光関連産業により活力のあるエリアとなっています。
今回の白山宮鞘堂の登録、そして来年33年ぶりの式年大祭を控えた上梨地区の今後益々の盛り上がりから目が離せません。多くの市民のみなさまにとって、地域の身近な文化資産の価値や魅力を再発見・再認識するとともに、地域の宝・誇りとして末永く保存・継承していくための契機となることが期待されます。
⽂化財の概要
名 称 白山宮鞘堂(はくさんぐうさやどう)
(1) 員 数 1所1件 鞘堂(さやどう) 【木造平屋建、茅葺、建築面積38平方メートル】
(2) 所在地 南砺市上梨字家平713他
(3) 所有者 宗教法人 白山宮
(4) 特 徴
・国指定重要文化財の「白山宮本殿」を保護している宝暦10年(1760)建立の茅葺き建物
・これまで移築や改修があるものの、五箇山に残る茅葺きの宗教施設では最も古く、唯一の神社関連施設として貴重
・当地方独特の信仰形態を反映した宗教施設として貴重
【参 考】これまでの市内の国登録有形⽂化財(建造物)
・井波町物産展示館(旧井波駅舎) 1棟 井波地域 平成8年登録
・城端織物組合事務棟 1棟 城端地域 平成12年登録
・冨田家住宅 1棟 福野地域 平成16年登録
・松風樓 4棟 福光地域 平成26年登録
・齋賀家住宅 2棟 井波地域 平成26年登録
・じょうはな庵 2棟 城端地域 平成27年登録
・旧大鋸屋小学校体育館 1棟 城端地域 平成27年登録
・荒町庵(旧米田楼) 1棟 城端地域 平成29年登録