比例代表選挙をくわしく!(衆議院議員編)
比例代表選挙は衆議院議員と参議院議員で、投票の方法をはじめ、多くの面で制度が異なっています。ここでは、衆議院議員比例代表選挙について解説します。
1 候補者名簿の提出
衆議院議員比例代表選挙では、まず始めに、政党等は候補者名簿を提出します。この候補者名簿は、比例代表選挙での立候補者の当選順位が政党によりあらかじめ決められています。
政党名 | 比例代表候補者 |
---|---|
北陸党 |
|
呉西党 |
|
南砺党 |
|
(注意)実際は、これよりも多くの政党等、候補者がいます。
2 投票
衆議院議員比例代表選挙では、有権者は「政党名」を投票用紙に記載します。政党名以外の事項(個人の氏名など)を書くと、投票は無効になります。
3 開票・議席数の決定
投票終了後に開票作業が行われ、各政党の獲得議席数が決まります。また、各政党の獲得議席数は、各政党の得票数を基にドント式により算出します。衆議院比例代表選挙では、有権者は政党名のみを記載するため、政党名が書かれた票数が政党の得票数になります。
政党名 | 政党の総得票数 |
---|---|
北陸党 | 600 |
呉西党 | 720 |
南砺党 | 900 |
政党名 | 北陸党 | 呉西党 | 南砺党 |
---|---|---|---|
総得票数 | 600 | 720 | 900 |
総得票数÷1 | 600 (3番) | 720 (2番) | 900 (1番) |
総得票数÷2 | 300 (6番) | 360 (5番) | 450 (4番) |
総得票数÷3 | 200 | 240 (8番) | 300 (6番) |
総得票数÷4 | 150 | 180 | 225 (9番) |
獲得議席 | 2 | 3 | 4 |
(注意)括弧数字は商の大きさの順番です。
4 当選人の決定
各政党の獲得議席が確定後、当選人を決定します。当選者は、各政党が提出した候補者名簿の当選順位が上位の候補者から順に当選します。
政党名 | 当選者 |
---|---|
北陸党 |
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呉西党 |
|
南砺党 |
|
以上の流れで、衆議院議員比例代表選挙での当選者が決定されます。候補者が当選するためには、政党全体での得票数はもちろんのこと、候補者名簿内での当選順位がきわめて重要になります。
…しかし、上記の例はきわめてまれです。衆議院議員比例代表選挙は重複立候補(小選挙区選挙と比例代表選挙の両方に立候補すること。参議院議員選挙では認められていません。)が認められているため、実際はもう少し複雑になります。以下、重複立候補者がいる場合の当選までの流れを説明します。
1 候補者名簿
ここでは、表1の「北陸党」に、さらに重複立候補者がいたとします。なお、重複立候補をした場合は、複数の重複立候補者の当選順位を同一にすることができます。表4において、当選順位が2位の立候補者が3人いるのはそのためです。
政党名 | 比例代表候補者 |
---|---|
北陸党 |
|
- (注意)(単)は比例代表のみの立候補者を、(重)は重複立候補者を表します。
- (注意)実際の候補者名簿様式とは異なります。
2 小選挙区選挙での開票結果
小選挙区選挙の開票結果が表5のとおりだったとします。
立候補者 | 結果 | 惜敗率 |
---|---|---|
北陸花子 | 当選 | なし |
北陸二郎 | 落選 | 80% |
北陸一子 | 落選 | 90% |
北陸太郎 | 当選 | なし |
小選挙区選挙で当選した場合は、比例代表選挙で当選することはなくなりますので、当選した北陸花子氏と北陸太郎氏は、北陸党の比例代表候補者名簿から除かれます。
落選した北陸二郎氏と北陸一子氏は比例代表選挙にまわり、比例代表で当選を待つことになりますが、両氏は当選順位が同一順位(2位)です。この場合は、小選挙区での惜敗率(小選挙区における当選者の得票数に対する落選候補者の得票数の割合のこと。)を用い、惜敗率の高い順に、さらに、同一順位内での当選順位を決めます。ここでは、北陸一子氏の惜敗率のほうが高いので、当選順位2位内での当選順は、北陸一子氏→北陸二郎氏の順になります。
3 比例代表での当選者の決定
開票の結果、北陸党の比例代表での獲得議席数が2議席だったとします。つまり、北陸党の候補者名簿の当選順位の上位2候補者が当選します。当選結果は表6のとおりになります。
当選順位 | 候補者名 | 当選 |
---|---|---|
1 | 北陸一郎(単) | 当選 |
2 | 北陸花子(重) | なし |
2 | 北陸二郎(重) | 落選 |
2 | 北陸一子(重) | 当選 |
3 | 北陸太郎(重) | なし |
4 | 北陸二子(単) | 落選 |
(注意)(単)は比例代表のみの立候補者を、(重)は重複立候補者を表します。
まず、当選順位が1位の北陸一郎氏は当選します。次に、当選順位が2位の3人が最後の1議席を争うことになります。北陸花子氏は、小選挙区選挙で当選しているため対象外になります。残る北陸二郎氏と北陸一子氏のどちらが当選するかいうと、小選挙区選挙での惜敗率が高い北陸一子氏(表5参照)のほうが、同一順位内での当選順位が上になるので、北陸一子氏が当選します。
なお、北陸一子氏のように、小選挙区選挙で落選したものの比例代表選挙で当選することを「復活当選」と呼んでいます。ただし、小選挙区選挙での当選者及び小選挙区選挙での得票数が供託金没収点未満の候補者は、復活当選をすることができません。
衆議院議員比例代表選挙では、重複立候補をしていることがほとんどです。各政党の獲得議席数を算出は比較的平易ですが、当選者の決定は、小選挙区選挙の結果に左右されるのでやや複雑になっています。
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