選挙に関係する用語について解説します。
選挙事務に関係する用語解説
- 統一地方選挙
地方公共団体の長及び地方公共団体の議会議員の選挙日程を全国的に統一して実施する選挙です。選挙の円滑な執行及び選挙経費の節減を図るため、昭和22年4月から実施されています。 - 投票区
日本国内の選挙では、投票を一定の区域を単位として行っています。この投票を行う区域を「投票区」といいます。投票区は、市区町村の選挙管理委員会が定めており、一つの投票区には一つの投票所が設けられます。 - 投票管理者
投票所の責任者です。選挙権を有する者の中から、市区町村の選挙管理委員会が選任し、投票所ごとに1人置かれます。 - 投票立会人
投票事務の執行に立ち会い、投票が公正に行われるよう監視する者です。選挙権を有する者の中から、本人の承諾を得て市区町村の選挙管理委員会が選任します。選任数は、投票所ごとに2人以上5人以下です。 - 開票
投票箱を開いて投票の有効又は無効を決定し、候補者や政党等の得票数を確定することをいいます。投票が終わると、各投票所の投票箱は、投票管理者及び投票立会人によって開票所まで運ばれます。 - 開票区
開票は、一定の区域を単位として行われます。この単位区域を「開票区」といい、原則として市区町村の区域とされています。一つの開票区に一つの開票所が設けられます。 - 開票管理者
開票の責任者です。投票の点検、投票の効力の決定、開票の結果の報告、開票録の作成、開票所の秩序維持等が主な職務です。開票管理者は、当該選挙の有権者の中から、市区町村の選挙管理委員会によって選任されます。 - 開票立会人
開票事務の執行に立ち会い、開票が公正に行われるよう監視する者です。投票の効力の決定に際しての意見陳述などを行います。選任数は、3人以上10人以下です。
~開票立会人補足~- (注意)開票立会人は、候補者が開票区内の選挙人名簿に登録されている者の中から本人の承諾を得て1人定め、市区町村の選挙管理委員会に届け出ることになっています。なお、届出は投票日3日前の午後5時までにしなければなりません。
- (注意)開票立会人は、常に3人以上10人以下である必要があります。11人以上の届出があった場合は、市区町村の選挙管理委員会がくじで10人を決めます。
- 選挙会
開票の結果を開票管理者からの報告によって確認するなどした上で、当選人を決定する機関のことです。 - 選挙長
選挙会に関する事務をつかさどる者であり、当選人を決定する責任を負います。当該選挙の有権者の中から、当該選挙を管理する選挙管理委員会によって選任され、立候補の届出の受理も行います。 - 選挙立会人
選挙会に立ち会い、当選人決定手続に参与する者です。当該選挙の有権者の中から選任され、選任数は3人以上10人以下です。
投票に関係する用語解説
- 仮投票
投票所で、投票管理者が投票の拒否を決定したことに対し、その決定を受けた選挙人に不服があり、又は投票立会人に異議がある場合などに、その選挙人に仮にさせる投票のことをいいます。
投票の際は、選挙人名簿と照合した上で、選挙人の本人確認を行いますが、本人確認ができない場合又は投票資格がないと認められた場合は、投票管理者はその選挙人の投票を拒否することができます。この拒否に対し、その選挙人が不服を申し立てた場合又は投票立会人が投票管理者の拒否の決定に異議のある場合などは、投票管理者は選挙人に仮投票をさせます。
仮投票は、選挙人に通常の投票用紙に記載させた上で、これを仮投票用封筒に封印してから投票箱に入れます。投かんされた仮投票は、開票所で開票管理者が審査し、受理が認められたものは開封され、ほかの投票と混ぜられて開票されます。
なお、代理投票を申し出て断られた選挙人に不服がある場合又は代理投票を認めたことに対して投票立会人の異議がある場合などは、代理記載によって仮投票が行われます。 - 拘束名簿式
衆議院比例代表選挙で採用されている制度です。拘束名簿式では、政党が事前に届け出た候補者名簿の当選順位に従って当選者を決定します。ドント式(後述参照)で各政党の獲得議席数(当選人数)を確定させ、名簿の当選順位の上位から順に当選します。なお、「拘束名簿式」による衆議院議員の比例代表選挙の投票は、政党名を記入して投票します。もし、候補者名を記入した場合は、投票は無効となります。 - 特定枠制度
参議院比例代表選挙で採用されている制度です。政党は、優先的に当選人とする候補者を「特定枠」として指定することができ、特定枠については、拘束名簿式と同様に、候補者の当選順位が事前に決められています。当選人の決定方法は次のとおりになります。(1)ドント式(後述参照)で各政党の獲得議席数(当選人数)を確定させます。(2)獲得議席数の確定後、まず、「特定枠」の当選順位が上位の候補者から順に当選します。(3)「特定枠」の候補者が全員当選しても、獲得議席数に達しない場合、特定枠以外の候補者について、個人名での得票数が多い順に当選します。なお、特定枠の人数に上限はありません。
「特定枠制度」による参議院議員の比例代表選挙の投票は、候補者名又は政党名のいずれかを記入して投票します。 - 非拘束名簿式
参議院比例代表選挙の「特定枠以外の候補者」を当選させる際に採用されている制度です。非拘束名簿式では、政党が候補者名簿で当選順位を決めず、個人名での得票数が多い順に当選します。
立候補・当選方法に関係する用語解説
重複立候補
衆議院議員選挙では、いわゆる“小選挙区比例代表並立制”が採用されており、立候補者は、小選挙区選挙と比例代表選挙の両方で立候補できます。両方の選挙で立候補することを重複立候補といいます。重複立候補をした場合、小選挙区選挙で落選したときは、比例代表選挙に回り、比例代表選挙で当選を待つことになります。
なお、参議院議員選挙も選挙区選挙と比例代表選挙がありますが、参議院議員選挙では重複立候補ができません。
連座制
候補者又は立候補を予定している人と一定の関係にある人が、買収罪等の悪質な選挙犯罪に関わった場合は、たとえ候補者や立候補を予定している人がその選挙犯罪に関わっていなくても、候補者の当選が無効になるとともに、その選挙については同一の選挙区から5年間立候補できなくなる制度です。
連座制の対象者
- 総括主宰者
選挙運動の全体をとりまとめる人をいいます。 - 出納責任者
選挙運動費用の収支について、いっさいの責任及び権限を持つ人をいいます。 - 地域主宰者
一部地域の選挙運動をとりまとめる人をいいます。 - 親族
候補者又は立候補予定者の配偶者、父母、子及び兄弟姉妹を指します。 - 秘書
候補者又は立候補予定者に使用され、その政治活動を補佐する人をいいます。 - 組織的選挙運動管理者等
候補者又は立候補予定者と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、選挙運動の計画の立案・調整を行う人、選挙運動に従事する者たちの指揮・監督を行う人及びその他選挙運動の管理を行う人をいいます。
連座制の要件
- 総括主宰者、出納責任者又は地域主宰者が選挙犯罪を犯し、罰金以上の刑に処せられた場合
- 親族、秘書又は組織的選挙運動管理者等が選挙犯罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられた場合
- (注意)要件となる選挙犯罪の種類
買収罪、利害誘導罪、多数人買収罪・多数人利害誘導罪、公職の候補者や当選人に対する買収罪・利害誘導罪、新聞紙・雑誌の不法利用罪及び選挙費用の法定額違反(出納責任者のみ) - (注意)総括主宰者、出納責任者及び地域主宰者については、選挙運動期間以降の活動が対象ですが、親族、秘書及び組織的選挙運動管理者等については、選挙運動期間前の活動も対象になります。
供託金
無責任な立候補の乱立を防止するために、選挙に立候補する者が届出の際に、法務局に納入しなくてはならない一定の金額のことです。
供託することができるのは、衆議院・参議院比例代表選挙においては名簿届出政党、その他の選挙については候補者本人(本人届出の場合)又は推薦人(推薦届出の場合)だけです。
選挙の結果、候補者の得票数が一定の当選者数(衆議院・参議院比例代表選挙の場合)又は得票数(その他の選挙の場合)に達したときは、当選又は落選に関係なく、供託金は返還されます。しかし、一定の当選者数又は得票数に達しなかったときは、供託金は没収されます。また、供託金を納めた後で候補者が立候補を辞退し、又は立候補の届出を取り下げ、又は選挙長から立候補の届出を却下された場合にも没収されます。
選挙の種類 | 供託金の金額 | 供託金が没収される得票数など |
---|---|---|
衆議院小選挙区 | 300万円 | 有効投票総数×10分の1未満 |
衆議院比例代表 | 名簿単独登載者数×600万円+重複立候補者数×300万円 | 没収額=供託額-(300万円×重複立候補者のうち小選挙区の当選者数+600万円×比例代表選挙の当選者数×2) |
参議院選挙区 | 300万円 | (有効投票総数÷その選挙区の議員定数)×8分の1未満 |
参議院比例代表 | 名簿単独登載者数×600万円 | 没収額={名簿登載者数-(当選人×2)}×600万円 |
都道府県知事 | 300万円 | 有効投票総数×10分の1未満 |
市長(政令指定都市) | 240万円 | 有効投票総数×10分の1未満 |
市長(政令指定都市以外)・特別区の区長 | 100万円 | 有効投票総数×10分の1未満 |
町村長 | 50万円 | 有効投票総数×10分の1未満 |
都道府県議会議員 | 60万円 | (有効投票総数÷その選挙区の議員定数)×10分の1未満 |
市議会議員(政令指定都市) | 50万円 | (有効投票総数÷その選挙区の議員定数)×10分の1未満 |
市(政令指定都市以外)・特別区議会議員 | 30万円 | (有効投票総数÷その選挙区の議員定数)×10分の1未満 |
町村議会議員 | 供託金は不要 (注意)公職選挙法の改正により、令和2年12月12日以降に告示される町村議会議員選挙からは供託金制度が導入され、立候補に際しては15万円を供託する必要があります。なお、供託金が没収される得票数は、「(有効投票総数÷その選挙区の議員定数)×10分の1未満」(都道府県議会議員及び市(特別区)議会議員と同じ。)です。 |
法定得票数
得票数が全体の得票数から見て極端に少ない場合でも当選人とすることは、代表としてふさわしくないため、一定数以上の得票が必要とされています。これを「法定得票数」といい、下表のとおり、選挙の種類ごとに決められています。
選挙の種類 | 法定得票数 |
---|---|
衆議院小選挙区選挙 | 有効投票総数×6分の1以上 |
参議院選挙区選挙 | (有効投票総数÷選挙区の定数)×6分の1以上 (注意)選挙すべき議員数が通常選挙における選挙区定数を超える場合は、その議員数を割ります。 |
地方公共団体の長の選挙 | 有効投票総数×4分の1以上 |
地方公共団体の議会議員選挙 | (有効投票総数÷選挙区の定数)×4分の1以上 |
ドント式
現在の参議院及び衆議院比例代表選挙において、各政党の議席配分を決定するために採用されている計算方法です。各政党の総得票数をそれぞれ1から順に自然数で割っていき、得られた商(得票数)の大きい順に議席を配分します。
政党名 | A党 | B党 | C党 | D党 |
---|---|---|---|---|
政党の総得票数 | 1,800 | 1,500 | 1,200 | 900 |
総得票数÷1 | 1,800 (1) | 1,500 (2) | 1,200 (3) | 900 (4) |
総得票数÷2 | 900 (4) | 750 (6) | 600 | 450 |
総得票数÷3 | 600 | 500 | 400 | 300 |
獲得議席(当選人数) | 2 | 2 | 1 | 1 |
(注意)括弧数字は、商の大きさの順番です。
惜敗率
衆議院議員選挙の小選挙区選挙における当選者の得票数に対する落選候補者の得票数の割合のことです。小選挙区選挙と比例代表選挙に重複して立候補した場合、複数の候補者を候補者名簿での当選順位を同じ順位にできます。このときは、惜敗率を用いて、同じ当選順位内の各候補者の順位を決定します。
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