比例代表選挙をくわしく!(参議院議員編)

 比例代表選挙は参議院議員と衆議院議員で、投票の方法をはじめ、多くの面で制度が異なっています。ここでは、参議院議員比例代表選挙について解説します。

1 候補者名簿の提出

参議院議員比例代表選挙では、まず始めに、政党等は候補者名簿を提出します。この候補者名簿は、「特定枠の候補者」及び「特定枠以外の候補者」が記載されており、「特定枠の候補者」については、当選順位も記載されています。

【表1】候補者名簿のイメージ (注意)実際の候補者名簿様式とは異なります。
政党名 比例代表候補者 特定枠の候補者
中部党
  • 中部太郎
  • 中部花子
  • 当選順位1位:中部 二郎
  • 当選順位2位:中部 三郎
北陸党
  • 北陸太郎
  • 北陸花子
  • 当選順位1位:北陸 二郎
  • 当選順位2位:北陸 三郎
富山党
  • 富山太郎
  • 富山花子
  • 当選順位1位:富山 二郎
  • 当選順位2位:富山 三郎
呉西党
  • 呉西太郎
  • 呉西花子
  • 当選順位1位:呉西 二郎
  • 当選順位2位:呉西 三郎
南砺党
  • 南砺太郎
  • 南砺花子
  • 当選順位1位:南砺 二郎
  • 当選順位2位:南砺 三郎

(注意)実際には、これよりも多くの政党等及び候補者がおり、特定枠の人数に上限はありません。

2 投票

 参議院議員比例代表選挙では、有権者は「政党等名」又は「候補者名」のいずれかを投票用紙に記載します。また、投票所には、表1のような候補者名簿が掲示されています。

3 開票・議席数の決定

 投票終了後に開票作業が行われ、各政党等の獲得議席数が決まります。また、各政党等の獲得議席数は、各政党等の総得票数を基にドント式により算出します。
 ここでポイントになるのが、各政党等の総得票数の算出方法です。各政党等の総得票数は、「政党等名の得票数と政党等に属する候補者の得票数の合計」によって算出されます。表1の政党等と候補者名を例にすると、「中部党」と書かれた票数が100票、「中部太郎」と書かれた票数が30票、「中部花子」と書かれた票数が20票、「中部二郎」と書かれた票数が20票、「中部三郎」と書かれた票数が10票だった場合、中部党の総得票数は180票(=100+30+20+20+10)となります。

(注意)厳密に説明すると、特定枠の候補者の氏名が書かれた投票は、「政党等名」が書かれた投票としてみなされます(上記の中部党を例にすると、「中部二郎」及び「中部三郎」と書かれた票は、「中部党」と書かれた投票とみなされます。)。

【表2】政党の総得票の例 (注意)表1の政党と候補者を例にします。
政党名 政党等名が書かれた票数 候補者名が書かれた票数 政党等の総得票数
中部党 100
  • 中部太郎:30
  • 中部花子:20
  • 中部二郎:20
  • 中部三郎:10
180
北陸党 200
  • 北陸太郎:20
  • 北陸花子:80
  • 北陸二郎:40
  • 北陸三郎:20
360
富山党 300
  • 富山太郎:70
  • 富山花子:50
  • 富山二郎:40
  • 富山三郎:20
480
呉西党 400
  • 呉西太郎:60
  • 呉西花子:80
  • 呉西二郎:40
  • 呉西三郎:20
600
南砺党 500
  • 南砺太郎:70
  • 南砺花子:80
  • 南砺二郎:10
  • 南砺三郎:得票なし
660
【表3】ドント式による各政党の獲得議席 (注意)表2に基づきます。議席数8の場合
政党名 中部党 北陸党 富山党 呉西党 南砺党
総得票数 180 360 480 600 660
総得票数÷1 180 360 (4番) 480 (3番) 600 (2番) 660 (1番)
総得票数÷2 90 180 240 (7番) 300 (6番) 330 (5番)
総得票数÷3 60 120 160 200 220 (8番)
獲得議席 0 1 2 2 3

(注意)括弧数字は商の大きさの順番です。

4 当選人の決定

各政党の獲得議席が確定後、当選人が下記の要領で決定されます。

  1.  まず、特定枠の候補者から優先的に当選します。特定枠の候補者のうち、「当選順位が上位の候補者」から順に当選します。
  2.  特定枠の候補者が全員当選しても、獲得議席数に達しない場合は、特定 枠以外の候補者の中から「候補者名での得票数が多い順」に当選します。
【表4】当選者一覧 (注意)表2及び表3に基づきます。
政党名 当選者
中部党 なし(獲得議席がないため)
北陸党 北陸二郎
富山党
  • 富山二郎
  • 富山三郎
呉西党
  • 呉西二郎
  • 呉西三郎
南砺党
  • 南砺二郎
  • 南砺三郎
  • 南砺花子

~当選者が決まるまで~

  • 【中部党】
    →獲得議席がないため、中部党からの当選者はいません。
  • 【北陸党】
    →まず、特定枠の候補者から当選します。北陸党の獲得議席は1議席なので、特定枠での当選順位が1位の北陸二郎氏が当選します。北陸花子氏は、北陸党の中では、「候補者名での得票数」が最多ですが、落選になります。
  • 【富山党】
    →まず、特定枠の候補者から当選します。富山党の獲得議席は2議席なので、特定枠の候補者2人が当選します。富山太郎氏は、富山党の中では、「候補者名での得票数」が最多ですが、落選になります。
  • 【呉西党】
    →富山党と同じで、特定枠の候補者2人が当選します。
  • 【南砺党】
    →南砺党の獲得議席は3議席なので、特定枠の候補者全員(2人)が当選しても1議席の空きがあります。残りの1議席は、特定枠以外の候補者から決定します。特定枠以外の候補者については、「候補者名での得票数」が多い順に決定するので、南砺花子氏(80票)が当選し、南砺太郎氏(70票)が落選になります。

 以上の流れで、参議院議員比例代表選挙の当選者が決定されます。特定枠の候補者が当選しやすく、上記の例のように、候補者個人の得票数が多くても落選する可能性もあります。

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